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野ざらしは泣いている

昨日は記者の友人である‟フォークグループあじさい”のコンサートの司会を務めてきた。
歌われたナンバーのなかに『野ざらしの駐車場』という歌があり、このタイトルが今日も気になる。

最近もかつて母がパートで勤めていたベーカリーが閉店し更地になった。
口数の少ないケーキ職人の“キョウゾウさん”、その息子で当時4歳の店のアイドルだった“ジュンちゃん”、八戸訛りの抜けない“カコおばさん”・・・古いはなしだが、そんな店の人たちと母と姉とで大阪の博覧会に行った宝物のような思い出がある。
街も通りも、あるべきところのものがなくなると、そこになにがあったのか思い出せないものだが、あのベーカリーの奥さんは母が他界するまで母と交誼があったので、更地が一層寂しく感じる。
店があれば、たとえシャッターが下りていても、シャッターが上がればかつてそこに関わった人たちが集う夢をみることができる。あの人もこの人も、キョウゾウさんもジュンちゃんも、カコさんも皆、あのときのままで帰ってくるのだ。
コンサートでは高田渡さんの『ブラザー軒』も歌われていたが、記者にとってはあのベーカリーが‟ブラザー軒”なのだ。

カトリーヌ・アルレーの『わらの女』に有名な一文がある。
“人間は、二度死ぬものではないだろうか。一度は、生命から見離されたときに。そして、もう一度は、すべての人の思い出から見離されたときに。”(安堂信也 訳)
二度目に死んだとき、人は“野ざらし”になるのだろうか。
ふと、記者は芸人世界のことを思った。
この世界、なんと野ざらしの多いことか。
水木しげる氏は漫画界がまさにそれだと言っていた。
或いはまた、こんなことも言えるのではあるまいか。
人間は二度死ぬ。一度目は人々の認識から見離されたときに。二度目はそうした状況のなかで生命が尽きたときに。

野ざらしの国にたむろす、無縁仏・・・・・

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